文化財保存対策


日本の文化財美術工芸品は、虫、カビに弱いセルローズ性の作品が過半数を占めます。永い歴史を生きてきて痛んだり、ボロボロになっているものも数多くあります。
文化財美術工芸品は現代に生きる我々の生活に精神的豊かさを与えてュれます。
先人達が遺してくれた、これらの文化財美術工芸品を、次の世代にもそのままの姿で遺し伝える責務があり、有機質から成るこれらの物件、作品をカビ、害虫から守る保存処理が必要であります。 その対策として燻蒸処理が多くの館で取り入られてきました。
2004年末永らく使われてきた燻蒸剤として臭化メチルがオゾン層破壊物質に指定され製造中止になりました。その為ポスト臭化メチルとして新薬剤が開発され、当社もそれらの薬剤によって燻蒸を行っています。
新薬剤といっても臭化メチル製剤と同様細心な注意と安全対策は必要です。過去24年間の豊富な燻蒸実績を生かして、今まで以上に安全で確実な効果を得られる燻蒸作業に従事していきたいと考えています。
ご質問、ご相談などございましたらお電話、メール等でご連絡ください。


被覆燻蒸
建物全体を燻蒸シートで被覆

アルミパネル板にて
大きな扉でも密閉可能

気化器を使用して
完全気化した燻蒸剤を投薬


活性炭により
燻蒸剤を安全に除毒

アイオード燻蒸
投薬装置

エキヒュームS投薬


我が国の文化財はその多くが紙・絹・木等の脆弱な素材で構成されていて、高温多湿という自然環境から虫・カビなどによる被害は深刻なものであります。そのために、博物館施設を中心に臭化メチルを含む燻蒸剤を広く使用してきました。
その一方日常管理の方法として予防のための管理策と被害発生時の緊急対応策を一体化した総合的有害生物管理(IPM)の推進されています。その一環の固体調査方法としてトラップを用いた生物調査の必要性が重視されています。当社では各種フェロモントラップ、通常トラップを用い、昆虫の生息状況を計測、対処方法を含めて報告書提出します。同様に空中浮遊菌測定も行っています。


フェロモントラップをセット
二週間放置後、回収

回収したトラップを
実体顕微鏡に同定。
その後報告書提出。

エアーサンプラーにて
空中浮遊菌をサンプリングして
コロニー数をカウント