シロアリの生態




白蟻(シロアリ)被害を早期に発見することは、被害の拡大を防ぐために大変重要なことです。以下のことに気を付ければ誰にでも簡単に調べることができます。


蟻 道(ぎどう) 
ヤマトシロアリとイエシロアリは一般には地中より基礎コンクリートや束柱などの表面に、土や排泄物でつくった蟻道を構築し加害また侵入してきます。

蟻 土(ぎど)
シロアリは加害している木材の割れ目などに土や排泄物でつっくった蟻土を詰めます。

羽アリ
シロアリの種類によって発生時期に違いがあります。
ヤマトシロアリ 4月〜5月の昼間 黒褐色
イエシロアリ 6月〜7月の夕方〜夜 黄褐色
ダイコクシロアリ 3月〜11月の夕方〜夜 黄褐色
アメリカカンザシロアリ 7月〜9月の昼間赤褐色



シロアリは名前や形、大きさ、生活様式などがアリに似ていますが、アリとはまったく違った種類の昆虫で、アリの仲間ではありません。シロアリとアリはつぎの点で簡単に見分けられます。

(1)アリの触角は「く」の字状をしていますが、白蟻
 シロアリの触角は真珠のネックレスのように数
 珠状をしています。

(2)アリの翅は前翅が後翅より大きいのに対して、
 シロアリの翅は4枚ともほぼ同じ大きさで同
 じ形をしています。

(3)アリは腰の部分がハチのように細くくびれていま
 すが、シロアリでは細くなっておりません。


白蟻(シロアリ)は社会性昆虫で、女王・王、副女王・副王、働きアリ、兵アリなどの階級があって、それぞれ仕事を分担し合って生活しています。


女王・王
巣から飛び出した羽アリが地上に下りて翅を落とし、雌雄がカップルとなって巣をつくり女王と王になります。交尾・産卵によって子孫を増やし、その集団の繁栄を図るのが任務です。一つの巣の白蟻(シロアリ)はみんな女王と王の子供ということになります。女王の腹部は産卵につれて伸長肥大して、ヤマトシロアリでは体長40mmにも達し、寿命は10から15年で、一生の間には100万個以上の卵を産みます。

副女王・副王
女王や王が死んだり、傷ついた場合に女王・王の代わりをする階級です。

働きアリ
最も個体数の多い階級で全体の90〜95%を占め、巣や蟻道をつくったり、修理・清掃をするほか、餌の採取・運搬、育児、他階級への供餌など、白蟻(シロアリ)社会のあらゆる労務をうけもっています。


兵アリ
外敵からの防衛にあたる階級で、突出したはさみ状の大顎(おおあご)や堅固で大きな頭部、それに頭部先端から放出する防御物質などを武器として外敵と戦います。発達したコロニーでは2〜3%程度を占めています。